仮想通貨時価総額では10以内にランクインしている注目のIOTAです。
現時点(2018/6/1)では日本の取引所に上場していませんが、今後上場の見込みもある仮想通貨になります。
IOTAのプロジェクトはかなり大きなところを目指しており、他の仮想通貨に類を見ず新しい分野の期待の星でもあります。
将来の市場規模から考えても非常に大きく成長する可能性のあるプロジェクトだと思います。
今回はIOTAの特徴・将来性や今後の価格予想まで踏み込んで考察していきたいと思います。
IOTAとは
IOTAとはIOTA財団が運営・管理する仮想通貨になります。
IOTAの特徴は、IOT(Internet of Things=モノのインターネット)に最適化された仕組みということです。
基本情報
通貨名称 | アイオタ(IOTA) |
通貨単位 | IOTA |
コンセンサスアルゴリズム | Tangle |
最大発行枚数 | 2,800,000,000,000,000 IOTA |
公開日 | 2017年6月 |
格付け(Weiss rating) | C |
公式サイト | https://www.cardanohub.org/ja/home-2/ |
ホワイトペーパー | https://www.dropbox.com/s/i4l3g88wh6gpi5d/IOTA_ |
公式Twitter | https://twitter.com/IoTa2016 |
1つ注意点があります。
発行枚数が2,800兆枚となっていますが、実際に取引所での取り扱いは100万枚単位となります。
要するに100枚持っていたら1億IOTA持っていることになります。
単純に取引所単位で考えると発行枚数は28億枚となりますので、そこまで多いわけではありません。
僕も初めは勘違いしており、発行枚数と単価を見て割高だから購入しませんでした。
しかし、取引所の発行枚数単位で考えるとリップルやエイダよりも少ないという事実。
ということで早速IOTAの特徴を見ていくことにしましょう。
IOTとは
IOTAを語る上でIOTの理解は外せません。
そもそもIOTとは何なのでしょうか。
IOTとはInternet of Thingsとあるようにモノのインターネットと訳します。
要するに、モノとインターネットと繋げることと思っていただければと思います。
現在でもモノとインターネットが繋がっているモノとして、スマホでモニターの確認をしたり、TV番組を予約したすることがあげられます。
IOT市場は、今後大きく成長すると言われており、2017年のIOT市場規模は4,850億円、2020年には1兆3,800億円と予想されています。
直近で約3倍も市場が拡大するといわれている分野なのです。
近い将来IOTが成長すれば、必要なモノを必要な時だけ利用するといったことや遠い場所にあるモノを容易に操作したりすることが容易に想像できます。
お届け物をネットを通して無人運転で目標の場所まで運んだり、見たい映画のワンシーンだけワンシーン分のお金を払って見たり、車のガソリンも使った分だけ支払うとか。
IOTは僕らの未来を大きく変える可能性があるものです。
ソフトバンクの孫社長もあらゆるモノがネットにつながるIOT時代に向け「ソフトバンクは1兆回線つなぎたい」と展望を語っています。
2016年には、IOT事業の拡大のために3兆3000億円で強英半導体設計アーム・ホールディングを買収しています。
僕たちが描いていた未来が想像よりも早く訪れる可能性が十分にあります。
IOTのためのIOTA
IOTAは、モノとインターネットをブロックチェーンで繋いでみようといった発想のもと作られました。
IOTのために使用するためには、求められる条件が2つありました。
それは、Micropayment(少額の支払)とNo Fee(決済手数料無し)です。
使った分だけ支払うといったことが可能となりますので、どうしても少額取引が必要になってきます。
また、使った少額分よりも手数料が高いといったことや頻繁に使用する場合の負担の増加も避けなければなりません。
そうしなければまず普及しません。
しかし、既存のブロックチェーンには2つの問題が生じました。
- スケーラビリティ
- トランザクションフィー
この2つになります。
ビットコインはトランザクションの確認が遅く送金詰まりを頻繁に起こしていました。
IOTのために必要ということは、トランザクションの確認が遅くなっては困るのです。
確認が取れないということは実行ができないという意味になり、そうなった場合使い物にならないという事態に陥ります。
次にトランアクションフィーということで手数料です。
実行回数が多いのにもかかわらず毎回高い手数料を払うと言った仕組みもIOT上ではうまく機能しないのではないかという2つの問題が浮上したのです。
そこでIOTAの開発者はTangleという、ブロックとチェーンを用いないブロックチェーン(意味的にはそれは本当にブロックチェーンではありません)を独自技術を開発しました。
Tangleの特徴
TangleはDAGベースの独自技術をで運用しており、ブロックチェーンとは異なった特徴があります。
- 取引手数料がゼロ
- スケーラビリティの問題がない
ブロックチェーンはいくつかの取引が含まれたブロック単位で記録や承認を行いますが、Tangleは1つの取引をチップとして扱います。
Tangleのトランザクションの確認方法ですが、取引した人が自ら行います。
そうすることでマイニング手数料を支払わなくて良いといった仕組みをとっています。
トランザクションの方法ですが、取引を行った人が前に行われた取引を承認していくといったやり方がとられています。
AさんがBさんに送金する際に、AさんはAさんよりも前に行われた取引を承認します。
しかし、ここで完了ではありません。
Aさんの取引が正しいものであるということをAさんよりも後に取引を行った人に承認してもらう必要があります。
ここで初めてAさんとBさんの取引が成立するのです。
ビットコインは送金する人が多くてマイニングが追いつかないと送金詰まりを起こす可能性がありますが、Tangleはこのような心配はありません。
マイナーによって承認されるわけではなく、取引した人が承認を行いますので取引している人が多ければ多いほど承認されるのも早まり取引遅延が起こりにくくなるのです。
要するにスケーラビリティの問題も解決出来るというわけなんです。
しかし、利用者が少なくなると承認されるまで時間がかかる可能性もあります。
まぁそこまで利用者が少ないとなるとIOTとして成り立ちませんのでここは考えなくても良いところですね。
また、マイニング承認アルゴリズムがPoWなので、セキュリティ面でも改ざんは極めて不可能に近いといった特徴も備えています。
量子コンピュータ耐性がある
量子コンピューターは5年後には実装化されると言われています。
実装化されるとほとんどの仮想通貨のセキュリティが破られてしまい、使い物にならなくなる可能性もあると言います。
しかし、IOTAは量子コンピューター耐性があると言われています。
IOTAは毎回アドレスが変わります。
要するに使い捨てのアドレスということです。
さらに、普通のコンピューターは2進法のところ3進法を使用しているため、量子コンピューターを使ってもそこまで影響はないようです。
量子耐性のある数少ない希少な仮想通貨です。
ライバルはイーサリアムクラシック
イーサリアムクラシックはIOTのプラットフォームとしての開発が進められてきています。
IOTAとイーサリアムクラシックは性格が異なっています。
大まかに言うと、イーサリアムクラシックは安全性ある機能の開発を行っており、逆にIOTAは最新の技術を盛り込み最先端の技術開発を行っているような感じです。
取引速度や手数料無料といった点においてはIOTAがイーサリアムクラシックより勝っていますが、イサーリアムクラシックにはIOTAよりもセキュリティ面や安全性の面で勝っています。
IOTの世界ではバグやハッキングが起こると人の命を脅かす可能性があります。
車がハッカーによってハッキングされたらどうでしょうか。
また、医療機器等が狙われてらどうでしょうか。
IOTとは便利な反面、危険と隣り合わせな世界だと思っています。
つまり、IOTの世界ではセキュリティが万全じゃないと使用するリスクが非常に高いものだと言うことができます。
イーサリアムクラシックの方が暗号理論や原則がすでに成熟期に差し掛かっており、安全で信頼できる技術としてみることができます。
業界内では、現時点ではイーサリアムクラシックの方が上手といった見方のようです。
今後のIOTAの成長によってこの立場がどうなるのかが楽しみですね。
IOTAのデメリット
IOTAはブロックチェーンではなくTangleという独自技術で運用されてますので、今後ハッカーから受ける攻撃に耐えうるのかが未知の世界となります。
独自のハッシュ関数(Curl)を利用しており、重大な欠陥がある可能性があるといいます。
IOTA支払いの際に偽造の署名を作り資金を盗むといったものです。
現時点では解決済みですが、過去にこのような脆弱性を指摘されています。
ちなみにビットコインのブロックチェーンは51%攻撃の危険性等が言われていますが、運用してから一度もハッキングされたことがないものです。
個人や取引所の不手際によって盗まれたということはあってもブロックチェーンの根幹を突かれて資金が盗まれたということは起こっていません。
このような面から見てもIOTAのTangleがどれほどセキュリティ面に強いのかを検証してく必要があると思います。
また、2進法ではなく3進法を使っているという点で量子耐性は持っているのですが、すべてのコンピューターやスマホは2進法ですのでコードの読解を困難にする可能性があり、取引データもビットコインよりも大きいのが難点です。
3進法ということでサードパーティが広まっていくのかという懸念があります。
世界中で使用されるようになるためには、サードパーティの普及が必須とも言えます。
このへんのデメリットを克服していくとIOTAがIOTのプラットフォームとして普及するのかもしれません。
IOTAに将来性
IOTの市場は今後伸びていくと予想されています。
未来の正解を想像するだけでも伸びていくと容易に想像ができます。
そんな未来の最先端を行こうとしているのがIOTAです。
プロジェクトとしては非常に面白いし、革新的な存在ですので市場を牛耳る可能性も十分にありえます。
マイクロペイントは使用した分だけという概念そのものになりますので、IOTAが使われていく可能性というのは十分にあるのかなと思っています。
ただし、上にあげたデメリットをIOTA開発人がどれだけ解決できるかということにかかっていると思います。
いずれにせよ、IOTAと提携している企業も増えてきています。
日本だと富士通が提携していますね。
この他にも国連プロジェクトを担うUNOPSとの提携を発表したりノルウェーの最愛大手銀行のDNBbankと提携を行っています。
多くの機関や企業がIOTAの技術に注目しているのは事実です。
今後のIOTAの動きはとても楽しみです。
また価格に関してですが、市場規模から言ってももっと伸びると思います。
市場規模が3倍になったとして、プラットフォーム化できたら大きく価格が上昇されることが予想できます。
長期目線で見ていく必要がある仮想通貨だと思っていますので、今後3年以上は成長期として見届けていきたいと思います。
僕の中ではイーサリアムクラシックよりも将来性が高い通貨と認識しています。