今、自分が使っているエキストラバージンオリーブオイルが偽物だと言われたらどう思いますか?
現在、日本の市場に出回っている輸入ブランドの8割は偽物であり、本物は2割にも満たないと言います。
もし何も意識をせずにスーパーマーケットでエキストラバージンオリーブオイルを購入していたら、偽物の可能性が高まります。
安かったからという理由で購入されたオリーブオイルはほぼ偽物と言っても良いのかもしれません。
それくらい、偽物が流通しているのが現状です。
健康に良いからといって、エキストラバージンオリーブオイルを購入しているのに偽物をつかまされたら元も子もありません。
というわけで、今回はエキストラバージンオリーブオイルの偽物を掴まないためにはどうすれば良いのかという内容の記事になります。
偽物のオリーブオイルとは
本物を選択するためには、まず偽物がどのように作られているかを知っておく必要があります。
そして、もしその偽物オイルを手にしてしまった場合、健康にはどう影響するのでしょうか。
偽物の作られ方
方法としては大きく分けて2つ存在しています。
1つ目はエキストラバージンオリーブオイルに混ぜ物をすることで量を増やす方法です。
- 安物の大豆油やヒマワリ油などの種油で薄める方法
- 安物のオリーブオイルで薄める方法
- 古いオリーブや豊作シーズンの在庫を混ぜる方法
基本的にこれらの方法は混ぜ物偽装になります。
エキストラバージンオリーブオイルに何かを混ぜて水増ししているようなものです。
2つ目の方法は、普通にラベルを偽っているもの。
要するに、エキストラバージンオリーブオイルとは言えない低品質なオイルをラベルを"エキストラバージンオリーブオイル"と偽ることで販売されているものもあるとのことです。
1つ目の方法との違いは、そもそもエキストラバージンオリーブオイルとは言えない低品質なオイルだということです。混ぜ物ですらないのです。
ピュアオリーブオイルやオーディナリーバージンオイル、そして本来食用ではないランパンテバージンオイルがエキストラバージンオリーブオイルに化けてしまっているのです。
このような偽装を行って販売されいてるオリーブオイルですが、これって法律に引っかからないの?って疑問が上がってくると思います。
いくらなんでも、多くの日本人がこのオリーブオイルを食すことになるわけですから、日本の法律でも定められていておかしくないのですが、現在ではJAS法があるのみだそうです。
日本国内においては、どんなに品質の悪いオリーブオイルであっても、あるいは中身の品質とは全く異なるような、魅力的な文字が商品ラベルに記載されていたとしても、最低限の緩い取り決めであるJAS法さえ満たしていれば、販売者はその責任を追及されることはありません。
ちなみにこのJAS法ですが、農林水産省が定めている法ですが、世界基準に比べるとかなりゆるい規格となっています。風味に欠陥があるものでも平気で販売できてしまうレベルのようです。
ラベル表記は消費者庁の管轄ですが、消費者庁でもその表記についての規制を行う動きはいまのところ見られません。 つまり日本では、オリーブオイルに関しての法規制はかなり緩く、現在のところラベルにどんなことを書いても書きたい放題、直ちに品質偽装に問われることはないのです(唯一の例外は、認証制度の法体系が存在する「有機」表示のみ)
引用:そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか
まさに、ラベルに書き放題。
なんでもかんでもエキストラバージンオリーブオイルと記載することができるのが日本の現状です。
このような状態では偽物が8割というのも頷けると思います。
結果として、かなりゆるいJAS法で規定はされていますが、どんな品質のオリーブオイルであってもラベルには"エキストラバージンオリーブオイル"と記載できてしまい、販売者にお咎めはないというのが実態です。
しかし、有機表示だけは世界的に見ても法律がしっかりと定められているので安心して良いようです。
これが唯一の朗報ですねw
健康にはどう影響するのか
では、実際に偽物エキストラバージンオリーブオイルを食すことでどうのような影響を及ぼすのでしょうか。
もちろん本物のエキストラバージンオリーブオイルではありませんので、オリーブオイル本来の健康効果は望めないのが実際のところです。
オリーブオイルは、悪玉コレステロールの低下、アンチエイジング効果などがあります。
これのために意識して摂取している人も多いと思います。
しかし、偽物を摂取していたらどうでしょうか。
現にスペインでは1981年に菜種油にアニリンを混ぜた混ぜ物がオリーブオイルとして販売され、それを使用した800人が死亡し、2万人以上に健康被害が起こるといった事件が発生しているとのことです。
これは極端な例ですが、混ぜ物が行なわれている可能性は十分に考えられます。
大豆やピーナッツ等にアレルギーがある人が健康被害を起こす可能性も十分に考えられるのです。
結果として、偽物を選択していると健康に良いだけではなく、健康を害する可能性もあるということ。
偽物を掴まないためにオリーブオイルの選び方を知っておくことが重要だと言えます。
選ぶ際に知っておきたいこと
偽物を掴まないために本物のオリーブオイルの選び方を知っておく必要があります。
知っておくだけで偽物をつかむ確率がグッと減ると思います。
ボトルだけではわからない
専門家の方でもボトルを見ただけでは品質はわからないと言います。
要するに初見のオリーブオイルは専門家でもわからない。
これはどういうことかというと、ラベルやマークを見たところで本物と判断ができないということです。
オリーブオイルには認定マークが付いていることがあります。
DOPやIGPといったEUや政府が定めた認定マークですら怪しいと言います。
「公的で公正」と信じられてきた政府や公的団体による産地や品質認証制度ですが、その実態は、生産者自身が品質認証に直接関与し、生産者以外の第三者によるチェックが全く働いていないものでした。
引用:そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか
第三者のチェック機能が働いていない状況なので、低品質のオリーブオイルにも認定マークが使用されている可能性があります。
要するに、この認定マークに関してはあまり意味をなしていないと言うことができるかもしれません。
オリーブオイルはナマモノである
オリーブオイルはナマモノになりますので、ワインと違って日にちが経つにつれて劣化していきます。
つまり、本物のオリーブオイルでも日にちが経つにつれて劣化して品質は下がっていくのです。
見るべきところは収穫日(harvest date)です。
日に日に劣化していくので収穫日は新しいものの方が良いです。
また賞味期限も非常に役に立つ情報ですが、賞味期限は製造時からの設定になりますので収穫日とからの設定ではないようです。
極端な話、1年前に収穫されたオリーブオイルと混ざって製造されても賞味期限は同じになります。
容器に入るときには、風味や製品規格に適合していることは確認されているようですが。
情報としては収穫日>賞味期限となると言うことができると思います。
また、オリーブオイルは収穫してから早く絞った方が良いです。
搾取した時から劣化が始まっています。
品質の良いオリーブオイルは収穫から12時間以内に絞られているようです。
1時間〜4時間以内とする愛好家もいるほどだと言います。
それくらい何時間に圧搾するかということは大切と言えます。
情報として何時間以内に絞ったということが記載されていることがありますので、購入する際は確認すべき項目の一つということができます。
価格について
安いものはほとんど偽物です。
数百円で売られている500mlのペットボトルに入れられたエキストラバージンオリーブオイルは偽物と考えていいと思います。
スペインでは高品質のオリーブオイルが500mlが千数円で売られていると言います。
日本で売られるとなると輸送費や利益等も含めると500mlが3000円〜6000円程度になるとようです。
大まかな目安がこれくらいということになりますので、あまりにも安いものは偽物の可能性が高いです。
そして、ペットボトルに入ったものは、例え中身が本物だとしても陳列している間に劣化してしますのでNGです。
原産国だけで選ぶとしたら
もし原産国だけしか判断基準がないのであれば、オーストラリア産かチリ産が ベストのようです。
オーストラリアとチリは古いオイルを翌年に持ち越すという習慣がないよう。
必然的に古いオイルを混ぜた品質の悪いオイルは存在しないことになります。
オーストラリアは、精製オイルによる粗悪化を検出する高度な検査を実施している唯一の国であり、品質基準も最も厳しくなっています。
どこにだって腕のいい生産者もいれば、悪質な生産者もいる。だから原産国がどこかは質の保証にはならない。しかし、オイルがつくられた場所以外に情報がないまま買わなければならないとしたら、チリ産かオーストラリア産を選ぶといい。
また、国産のオリーブオイルも偽物がないとは言い切れないようです。
小豆島はオリーブオイルで有名ではありますが、生産量が絶対的に足りていないそうです。
実態として、ヨーロッパから輸入したオリーブを混ぜて小豆島オリーブオイルとして販売するところもあるようです。
しかし、高品質のエキストラオリーブオイル基準よりも緩いですが、独自で基準を設け品質向上に向けて努力をしているのも事実です。
そこらへんのスーパーで安いオリーブオイルを購入するよりも、金額は上がりますが高確率で高品質なオリーブオイルが手に入ります。
銘柄(ブランド)は大切
やはり銘柄は大切です。
ワインや日本酒がそうであるように、オリーブオイルも同じことが言えます。
どんな状況下でも品質にこだわっている生産者は存在します。
その生産者を特定することができれば、偽物のオリーブオイルを手にすることから逃れることができます。
ホームページ等を見るとオリーブに関する色々な情報を載せている生産者もいます。
どのようにしてオリーブオイルが作られているかを知ることも大切なことなのかなと思います。
とは言っても、素人の僕たちはどのオリーブオイルが本物かなんてわかりません。
ですので、専門家が鑑定するコンテストの受賞作品を見てみると良いと思います。
全てのコンテストが公平に行なわれているとは言えないのが現状のようですが、毎年日本で開催されている『OLIVE JAPAN』は品質を守るために開催されているコンテストのようです。
実行委員ですら審査が終わるまでどこの誰が賞をとったかわからない状況であり、審査員が1日に審査するオイーブオイルも少なく設定しているとのことです。
要するにガチなやつです。
ここで賞を受賞したオリーブオイルを購入するというのも本物のオリーブオイルを手に入れるための手段ということができるでしょう。
安心して購入できるエキストラオリーブオイル
選び方をご紹介してきましたが、『エキストラバージンの嘘と真実 』でイタリアの生産者が語るには、本当にエキストラバージンオリーブオイルと言えるものは全体の2%しかないとも言っています。
生産者が語るこの数字の方が真実のような気がします。
またこれはイタリアに限らずスペイン、ギリシャ、トルコ、チュニジアに至っても同じだと言います。
ということで、結局選びに行っても偽物ばかりでは意味がありませんので、Amazonで安心して購入できるエキストラバージンオリーブオイルをご紹介します。
オロバイレン
ギフトなどにも選ばれるほど良いオリーブオイルです。
またOLIVE JAPAN2017でも金賞に輝いています。
近隣の農場ではクリスマスが来るまで果実の状態を見にいくことすらないのに、オロバイレンでは一〇月下旬には摘み取る。最もいい時期を正確に見計らって摘むんだ。そうすれば、まずいオリーブオイルにはなりようがない。世界中のどのオリーブオイル・コンテストだろうと、彼らはエントリーすれば勝つ。コストはよそよりも三〇〇パーセント多くかかるが、すべては味のためだ。
引用:その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと
全ては味のために。
一般的にスーパーて購入できるオリーブオイルに比べて少々高いですが、安心して購入できるオリーブオイルです。
コブラムエステート
こちらはオーストラリア産のオリーブオイルです。
もっとも基準の厳しいオーストラリアで作られたものになります。
マケボイの凄腕オイル職人、デボラ・ロジャースは、オーストラリアのメーカー〈ボールダー・ベンド(Boulder Bend)〉の品(アメリカでは〈コブラムエステート(Cobram Estate)〉のラベルがついている)も推奨している。コブラムはオーストラリアで最も高く評価されているオリーブオイルで、コンテストで一五〇個以上のメダルを獲得してきた実績を誇る。
引用:その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと
オーストラリアでもっとも評価されているオリーブオイルです。
オロバイレンに比べると少々値段は安くなっています。
こちらも2014年にOLIVE JAPANで金賞を受賞しています。
ただ『その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと』ではこの2つのオリーブオイルが推奨されていますが、オロバイレンの方が最高級のブランドと称しています。
オロ・デル・デシエルト クパージュ
OLIVE JAPAN2017で最優秀賞を受賞していますし、THE WORLD’S BEST OLIVE OILS 2014/2015では1位、2016/2017では3位と輝かしい受賞歴です。
100mlで1,800円とかなり高額になっています。
OLIVE JAPAN2017ではオロバイレンを抑えての最優秀賞です。
こちらもスペイン産ですが、4時間以内に圧搾されます。
さらに酸度が0.1と世界基準の0.8を大きく上回る世界最高品質のオリーブオイルです。
高くても良いならこれを買っておけば間違いないです。
実際に購入して、使ってみました。
詳しい感想はこちらをどうぞ。
-
【おすすめ】最高級オリーブオイルのオロ・デル・デシエルト クパージュを堪能してみた
市場に出回っているエキストラバージンオリーブオイルの約8割が偽物だと言われています。 と言われてもピンとこないのが現実だと思います。 何が偽物でどこが偽物なのか素人には全くわかりません。 でもそこまで ...
続きを見る
終わりに
オリーブオイルが健康に良いと言っても実は偽物を使っており、逆に健康を害していたという事態に陥らないために偽物の見破り方は知っておくべきです。
また、高級レストランに行っても本物が出てくる可能性は十分に低いとのことですのでオリーブオイルは慎重に選ぶべきものだと思います。
ちなみにオリーブオイルは加熱調理にも使うことができますので、これを機に油を見直してみても良いかもしれません。
エキストラバージンオリーブオイルが加熱調理には向かないというのは誤った常識です。優れた品質のものであれば、用途は選びません。もちろん油ですから、限りなく加熱していけば他の油と同じように発煙し大変なことになってしまいますが、普通に使うぶんには何の問題もありません
引用:そのオリーブオイルは偽物です: 値段が高くても本物はごくわずか