採用前の学生の方と会う機会がそれなりにあるのですが、その度に聞かれることがあります。
「学生時代にやっておくべきことはなんですか?」「社会人で役に立つアルバイトはなんですか」と。
聞いてくる本人達は技術的なことを聞きたいのであろうが、そんなもんは社会人になってからでも十分ですし、学生時代は本気で遊んどけって思います。
実際にアルバイトに関してはどんなアルバイトでも役に立ちますが、今回は私が経験したアルバイトで実際に役に立ったものをご紹介します。
お金を自分で稼ぐという認識
アルバイトといえど自分の時間を犠牲にして労働をします。
その対価としてお金をもらうことができるわけです。
お金を稼いでいるという認識を持つことが一番大切ということを忘れてはいけません。
コンビニであれ居酒屋であれアルバイトといえど店の顔になっているのですから責任を持って働くという意識は本当に大切なことです。
が、しかし「バイトだし」で片付けてしまうことが多いのが普通なのかもしれません。
私も学生の頃にやっていたアルバイトはそんな感じで過ごしていました。
学生の頃は面白くなかったり、人間関係が悪くなるとすぐにやめてしまうほど気楽なものでした。
実際に数で言うと派遣も合わせて20くらいのアルバイトを経験しました。
真面目にアルバイトを行ってきた人から言わせれば本当にクソ野郎です。
そんなクソ野郎ですが、社会人になって役に立ったアルバイトもありますし、社会人だからこそ学生の方に言いたいことも沢山あります。
実際にアルバイトとして責任を大いに持てというのがおかしな話でもあります。
責任を持てと言われても考えることのない仕事だったり、雑用みたいな仕事に対して責任を持つという意識を常に保っておくのは本当に難しいこと。
例え責任がある仕事でも「社員じゃないから」という意識がどこかにあります。
そんなこと思っていなくても社員から見たらやはり意識の差はかなり違います。
立場も違うのでアルバイトの方に対して意識を高く持てというのも無理がありますが、ただ1つ忘れて欲しくないことは「自分の力でお金を稼いでいる」ということです。
この意識を持っているだけでどんなアルバイトをしても社会人になった時に役に立ちます。
「お金をもらっているから仕事をする」という意識から「仕事をするからお金をもらう」という意識を身につけることができます。
学生時代にアルバイトをするのであれば、働くということの意味を少しでも考えることができれば幸いです。
実際に役に立ったアルバイト
ちょっと前置きが長くなりましたが、実際に社会人になった際に役に立ったなと思ったアルバイトを具体例を用いてご紹介します。
居酒屋スタッフ
王道ですが、居酒屋スタッフのアルバイトは非常に役に立ちましたし、3年間続けました。
私はオープニングスタッフということでオープンと同時にスタッフになりました。
もちろんオープン前に2週間ほどの研修を行いオープンに備えました。
居酒屋スタッフをして学んだこと
- 立ち上げと同時だったため経営方針を見ることができた
- 仕事におけるチームワークの大切さを学んだ
- 競うことの大切さを学んだ
居酒屋のオープニングスタッフとしての一番初めの仕事は研修でした。
接客の仕方、ドリンクの作り方、料理の作り方と全てを一通り学んでオープンという形です。
スタッフ同士の仲を深めることから始まり、業務内容を学ぶという流れでした。
立ち上げという目標があったということがスタッフ全員の団結力を高め、スタッフ同士の親密度も上がり非常に楽しい職場でした。
経営方針を覗くことができた
立ち上げたばかりのお店にどうやって客を呼び込むのか、どうやってリピーターをつけるのかということを社員と一緒に考える機会が頻繁にありました。
ミーティングから本社の会議まで参加しました。
チラシ配りから声かけまで客を集めるために必死で働いたのを覚えています。
ここで客を集める経営戦略を垣間見ることができました。
ただ居酒屋スタッフとして働くということよりも非常に良い経験をすることができました。
チームワークの大切さを学んだ
オープニングスタッフということもありスタッフ同士の仲は深まりました。
これはもちろん仕事にも大いに活かされたことでした。
忙しい中でどうにかこうにかして店を回していかなくてはなりません。
声を掛け合うことやスムーズな提供をするための気配りなどチームワークがなくては絶対にうまくいかなかないだろうと思うことはよくありました。
仕事は本当にチームワーク次第で何倍もの効果を発揮することができるということを身をもって体験することができましたし、理解することができました。
競い合うことの大切さを学んだ
他の店舗との売り上げ競争もそうなんですが、私が一番感じたのは内部での競争です。
「居酒屋の内部競争って何?」って思う人が大半だと思います。
私が働いていた居酒屋ではアンケート調査を行っていました。
このアンケート調査には「本日一番輝いたスタッフ」という項目があるんです。
みんな名札をしていますので接客が良かったスタッフは客に名前を書いてもらうことができるわけです。
このアンケートの結果は毎日営業時間が終われば集計してスタッフ全員にメールで送信されてきます。
ここでいかに1位を取るかが勝負なんです。
もちろん1位になったからといって賞金などは出ないのですが、仕事に対してのやる気や周りの目は変わってきます。
どうやったら名前を書いてもらえるか、どういう接客をすれば良いのかを必死で考えることになります。
店側は何もしていくても個人で考えてより良い接客をするようになるんです。
店側もプラス、スタッフもプラスといったように本当に効果はあったと思います。
人はコンピューターではありません。
親密度は簡単に上がりません。
人と接するということの難しさや面白さを十分に学ぶことができました。
家電量販店スタッフ
某家電量販店でお酒を売っていました。
「え?家電じゃないの?」って思うかもしれませんが、私が配属されたのはお酒コーナーでした。
このバイトをしようと思ったのは単純に時給が非常に良かったからということだけです。
当時は居酒屋が時給800円、コンビニが750円が相場でした。
しかしこの家電量販店のスタッフは時給1200円、土日は1400円と破格でした。
やらないわけにはいかないということで髪を黒に染めて面接に行ったことを覚えています。
家電量販店スタッフをして学んだこと
- いかに売り上げるか
- お酒の知識がついた
- 会社の雰囲気を味わうことができた
いかに売り上げるか
普段は客が来たら接客をしてレジに案内、商品の補充くらいしかやることがありません。
しかも家電量販店に酒を買いに来る人なんて、家電を買ったついでの人たちばっかりです。
「あ、お酒も売っているんだ」という人が95%くらいなんじゃないかと思います。
しかし、この部署にも一年で一番盛り上がるときがやってくるのです。
それはボージョレーヌーボーが解禁された日です。
このボージョレーヌーボーが解禁されたら全国の店舗で売り上げ合戦が開始します。
結果は店舗としてどれくらい売れたかということなんですが、個人の成績も発表されます。
成績が良かったらボーナスをいただくことができるためこの期間は必死でボージョレーヌーボーを売りまくります。
もちろんボージョレーヌーボー目当てで来店される人なんてごく稀です。
いかに家電を買ったついでにボージョレーヌーボーを買ってもらうかということを考えなくてはなりません。
本当になかなか売れませんでしたが、ある一言を付け加えるだけで飛ぶように売れるようになりました。
男性に「女性の皆さんがよく買われる商品です」と付け加えるだけで売り上げが変わりました。
このようにどうしたら商品が売れるのかを必死で考えたバイトでした。
店舗自体も全国売り上げ2位まで上がり、接客としての自信をつけることができた良い経験だったと思います。
お酒の知識がついた
居酒屋のスタッフも同時で行ってしましたのでお酒の知識は素人よりはある方でした。
しかし全く役に立ちません。
基本ここではワイン、日本酒、焼酎を売っているためカクテルの作り方やリキュールの種類を知っていてもほとんど意味はありませんでした。
商品の説明をするためには知識がないと務まりませんので必死で覚えました。
実際に購入して飲んだり、店舗で試飲したりと知識を大量につけることができました。
現在ではワイン、日本酒、焼酎はほとんど飲みませんがバーなどに行ったらお酒を見るだけで楽しめるくらいの知識がつきましたのでこれもありがたいことだなと思っています。
会社の雰囲気を味わうことができた
バイトでありながら、社員と同じロッカールームを使い、総務、経理部署に足を運ぶことが多かったため社会人と雰囲気を味わうことができました。
扱いとしてはバイトだけれども会社に属しているということを一番感じることができた職場でした。
こんな感じなんだということを理解しましたし、実際に就職してからのギャップも少なかったと思います。
社会人になれば当たり前のことだけれども、学生のうちから体験できたということは非常に良い経験になりました。
インターンシップに行く意味ってこういうところにあるんだなと感じましたね。
バーの店長代理
居酒屋や家電量販店のバイトをしていたこともあり、簡単なお酒なら作ることができ、お酒自体の知識もついていましたので面接はすぐに合格しました。
結局、潰れてしまって1年しかバイトはしていませんが、3ヶ月目からは店長代理のような仕事をしてました。
店には私一人しかいない状態の時も多かったです。
ここでは仕事に対しての責任感を非常に植え付けられました。
店長がいない時は一人で全てを行なっていました。
責任感ある仕事はやりがいに変わるということを学びましたね。
責任感のある仕事は嫌でも頑張るようになります。
終わりに
この他にもコンサートスタッフ、着ぐるみ、引っ越しなどいろいろと経験をしました。
たくさんの仕事を経験して今となっては良かったなと思います。
いろいろな仕事を経験することでいろいろな現場を知ることができますからね。
いろいろな経験をしていれば就職活動にも役に立ちます。
自分の経験としてありのままに語ることができるのです。
是非とも学生の皆さんはいろいろなバイトをして自分の経験値を増やしてみてはいかがでしょうか。
数多くのジャンルをバイトを体験したい方はこちらのサイトが非常にオススメです。