今現在も1000年後には昔と呼ばれるようになります。
1000年前の偉人も歴史を勉強してきたように、歴史には勝利の法則が潜んでいます。
ある意味、結果を知っている私たちは常に成功者の戦略を勉強することができるのです。
そう考えただけでもやはり歴史は面白いですね。
3000年の歴史の中でも指折りの成功者の戦略を覗くことができる『戦略は歴史から学べ』は過去の偉人の戦略はどのようにして現代にいかされているのか。
そして、現代の成功者とどこが共通していたのかを戦略の面から分析してくれています。
歴史に学ぶ意味とは
紹介する戦略家は、テミストクレスからハンニバル、カエサル、張良、諸葛孔明、チンギス・ハン、織田信長、徳川家康、リンカーン、ナポレオン、ネルソン、モルトケ、大村益次郎、秋山真之、アイゼンハワー、パウエルなど、歴史が動いたその瞬間に采配を振るった人物たちです。 彼らの戦略は、今日のビジネスにおいても十分通用するものです。本書では、歴史上の戦略と、マイクロソフトやグーグル、アマゾン、フェイスブック、トヨタ、ユニクロ、ソフトバンク、セブン‐イレブンなどの戦略のどこが共通しているかを考えながら、戦争でもビジネスでも、「戦いに勝つ」ために有効な不変の法則を抽出していきます。
本書では誰しもが知っている偉人の戦略を紹介した後、現代の成功者との共通点を丁寧に解説してくれています。
「勝利の法則」ということもあり、戦いに勝つには理由があります。
偉人達も歴史に学び、それを取りいれ実践してきたのです。
過去大勝利を収めた戦略を知っているのと知らないのでは自分の選択肢という意味でも、思考の幅も変わってきます。
なぜ偉人たちは大きな結果を残すことができたのか。
そして、その戦略は現代社会でも生かすことができるのか。
勝つための法則は時代が変わっても変わらないということを本書は示してくれます。
現代社会に生きる私たちが歴史から学ぶことは沢山あります。
本書の中では上記にも示した通り、多くの偉人の勝つための戦略をまとめて解説してくれています。
ナポレオンはなぜ快進撃を続けられたのか
ナポレオンを知らない人はいないのではないかというくらいの偉人です。
ナポレオンはなぜ戦争に勝ち続けられたのでしょうか。
本書の中から一つナポレオンの戦略をご紹介しようと思います。
ロシア・オーストリア連合軍VSポレオンのフランス軍
敵の連合軍約九万に対して、フランス軍は六万五〇〇〇人の劣勢でしたが、ナポレオンは巧みに自陣の右翼が弱いように見せかけて敵を誘い、罠にはまった敵がフランス軍の右翼に殺到した段階で、隊形が崩れた敵中央へ味方の主力を突撃させます。 敵の中央を分断し、ナポレオン主力は右翼に殺到していた敵を後方から包囲します。同時に、弱かったはずのフランス軍右翼は、後方に控えていたフランスのダヴォー軍が加勢したため、敵連合軍は突破できずに包囲されて壊滅しました。
これはあくまでナポレオンの一戦の話でしかありません。
戦争が始まる前は劣勢にもかかわらず、戦争が始まると勝利するということは何かしらの戦略があってからこそです。
ここでも見てとれるようにナポレオンは実際に戦争が始まってから勝機を見出しています。
これがナポレオンの勝ち続けられたポイントの一つです。
「静的」な状態の時ではなく、「動的」な状態になってから勝機を見出しているのです。
あらかじめ決まった布陣ではなく、「動的」に変化して相手を押さえ込んでいるところが見てわかると思います。
ナポレオンは両軍が遠く対峙する「静的」な状態ではなく、敵がチャンスを見つけたと思い込み、動き始めた「動的」状態に勝機を見出していました。
戦場の「動的」状態に好機を見つける戦法は、若きイタリア戦役からナポレオンが一貫して発揮し続けた才能であり、敵の古い貴族指揮官を震撼させた戦い方でした。
Facebookとの共通点
Facebookと聞いて知らない人はもはやいないでしょう。
それくらい私たちの生活にも浸透しているウェブサービスです。
もともとFacebookは2004年に創業者のマーク・ザッカーバーグが数週間で立ち上げたサービスです。
Facebookもナポレオンと同じで、「動的」なところから勝機を見出しています。
Facebookの戦略としてユーザーに使ってもらい、ユーザーの意見等をもとに改良を重ね、より良いサービスに進化していきました。
ナポレオンと同じように、実際に運用してから改良を重ねているのです。
決して机の上の議論だけではこのサービスには行き着かなかったことでしょう。
さらに、移り変わりの激しい情報戦に勝利するためにとりあえず運用してみるというスタイルも成功の一つの要因だったのではないかと思います。
とりあえずやってみる精神
何かをやると決めてから、なかなか動けない人がいます。
ナポレオンやFacebookの成功例を見て、とりあえずやってみるということが非常に大切なことであるというのがわかると思います。
完璧な状態にしてから動くのではなく、とりあえずやりながら改良を加えるというのではスピードが全く違います。
仕事でも同じことが言えると思います。
「とりあえずやってみないとわからないことがわからない。」
やってみてわからなければその部分を補う努力をすれば良い話ですが、わからないことがわからないとなると改善のしようがありません。
趣味でも副業でも新しいことを始める時はとりあえずやってみるということは非常に大切だと思います。
やってみて合わなければ辞めたら良いのです。
合わないということがわかったことが経験であり糧になるのです。
会話のネタにもなりますので「やってみる」ということは自分への刺激になります。
とりあえず書いてみるということからこのブログも1年以上続けることができております。
終わりに
今回ご紹介したのは本書の一つの例にすぎません。
本書にはナポレオンの他にも上記で紹介した偉人の戦略と現代社会で成功した企業の共通点を分かりやすく解説してくれています。
・偉人のとった戦略を学びたい人
・現代社会の成功した企業の戦略を学びたい人
この三つのどれかに当てはまる人にはとてもおすすめできる本です。
学校で世界史を学んだだけではわからない、「なぜ勝つことができたのか」を重きにおいて書かれてます。
歴史が好きな人ならのめり込んで読むことができる本です。
うん、とても面白かったです。