ランニング 読書

「かかと着地」VS「フォアフット着地」はどっちがベストか!?

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ランニングをしている人なら一度は気になったことがある着地についての疑問。
一度というか結構ずっと付きまとうものなのかもしれません。

フォアフット着地がかかと着地よりも衝撃が少なく、怪我をしにくいという情報を一度は聞いたことがあると思います。
かという私もフォアフット着地がかかと着地よりも優れていると思っていました。

でも実際にはどうなんでしょうか。

正直なところ、両方の走法で長い距離を何日間も走ることで自分の体から感じることはできるかもしれませんが、それはそれはしんどいことです。

どちらにせよ、いつもの走法を変更して長い距離を走るということですから、体が順応しませんし、怪我をする可能性もあります。

と、自分じゃ検証できませんが、すでに『42.195kmの科学』で検証してくれていますので、今回は着地について考えていくことにしましょう。

衝撃を受けにくいのはどちらか

衝撃を受けにくいのはどちらですかと聞かれて、多くの人はフォアフット着地であると答えると思います。
確かにマカウ選手(当時世界記録保持者/現在は6位)と日本の山本亮選手の着地方法を比べる実験で実際に体が受ける衝撃はマカウ選手が1.6倍で山本選手が2.2倍という結果になりました。

もちろんマカウ選手がフォアフット着地であり、山本選手がかかと着地になります。

さらに、ネイチャーに掲載された論文によると、かかと着地の衝撃は前足部の着地よりも3倍大きな衝撃を受けるとのようです。

また、部位によっても衝撃を受けるところが変わってくるようです。

  • フォアフット着地は、ふくらはぎやアキレス腱に衝撃を受ける
  • かかと着地は、太ももや膝に衝撃を受ける

さらに、かかと着地は、膝周りの筋肉に負担をかけ重心が下がってしまうので、ブレーキをかけてしまう走り方のようです。

なお、マカウ選手と山本選手のブレーキの大きさを比べたところ、かかと着地の方がフォアフット着地よりも1.2倍大きなブレーキがかかっていたと言います。

これだけ見ると、フォアフット着地の方が断然良い気がします。

日本人には馴染まないフォアフット着地

そもそも日本人の多くはかかと着地であるそうです。

さらに、札幌国際ハーフマラソン(2004年)でオリンピック選手を含む国際的なランナーを対象に行った調査では、「かかと着地」が74.9%、「ミッドフット着地(足裏全体)」が23.7%、「フォアフット着地」が1.4%という結果だったようです。

実際に国際マラソンで調査した結果では、フォアフット着地を行っているランナーは1.4%とかなり少ないです。
調査を行ったのが2004年なので少し古いデーターにはなりますが、それでも多くの人はかかと着地を行っているということがわかると思います。

日本人には慣れていない?

そもそも日本人はフォアフット着地には慣れていません。
全力疾走する時は自然とフォアフット着地になりますが、ランニングをしている時にはかかと着地になってしまうのが日本人の慣れです。

慣れで片付けたらおしまいかもしれませんが、慣れていないというのは非常に大きな問題だと思います。
ランニングシューズを購入してもかかとが厚く、ショックを吸収するように作られていますのでかかと着地になりやすいし、なるのが自然だと思います。

さらに、こう言った意見もあるようです。
人間の筋肉は末端に行くほど小さくなります。
小さい筋肉に大きな負荷がかかると疲れやすくなるので、大きな筋肉に負担がかかる方が楽だということ。

つまり、フォアフット着地で衝撃を受けるアキレス腱やふくらはぎよりも、かかと着地で太ももに衝撃を受ける方が楽であるということです。

いろんな意見が飛び交う中で、最も的確なのが日本人はかかと着地に慣れているということです。

自然とかかと着地になるように普段から生活をしてるし、履いている靴もそうさせているということです。
ほとんどの人がかかと着地を行っているということこそが、僕たちの習慣、慣れ、基板になっているということではないでしょうか。

フォアフット着地のルーツ

日本人のほとんどがかかと着地ですが、ケニアの人はほとんどがフォアフット着地だそうです。

なぜ、同じ人間でもここまで違うのでしょうか。

ケニアの人たちは小さい頃から移動手段は走ること。
靴を履かずに。

ケニアの多くの人は裸足で多くの距離を走ることが日課になっています。
さらに日本のように道が整備されているわけでもありませんので、凸凹な道も多々存在しているのです。

そんな中転ばないように、怪我をしないようにと本能的に身につけたのがフォアフット着地なのです。

裸足で走ると自然とフォアフット着地になります。
それを毎日行って、さらに怪我をしないように意識をしながら走る。

これを行う過程で自然と身についたのがフォアフット着地なのです。

日本人とは大きく違うことが確認できると思います。

日本人には身体的に向いていない?

東アフリカのランナーは太くて硬いアキレス腱をしているようです。
日本人ランナーは細くて柔らかいアキレス腱をしてるようです。

東アフリカの選手の方が弾力性があるというように言い換えることができます。
要するにアキレス腱に負荷がかかっても怪我をしにくいのです。

弾力性があるアキレス腱は衝撃を反発する性質を備えているため、その反発を利用することでふくらはぎなどの筋肉をあまり活動させずに蹴り出せるというのです。

小さい頃から裸足で走っているアフリカの人にとってアキレス腱が発達するのは、むしろ当たり前のことかもしれません。

要するにフォアフット着地を行っているアフリカの人は理由があり、体が備わって初めてフォアフット着地になったということができます。

日本人もフォアフット着地を身につけることができるのか

フォアフット着地の方が衝撃が少なく、怪我をしにくいということで現在では色々なメーカーからフォアフット着地を誘導するような靴が発売されています。

僕たち日本人もこのような靴を履いてトレーニングすること、あるいは裸足で走ることでフォアフット着地を身につけることができるのかもしれません。

今となってはフォアフット着地をしようと思ったら練習できる靴や理論は備わっています。
フォアフット着地とグーグルでググっただけでも多くの情報が出てくることでしょう。

しかし、アフリカの人たちがフォアフットを身につけた過程、そして結果となるアキレス腱の太さを見ると、そう簡単に身につけることができるそうほうではないのかなと思ったりもします。

どちらがベストなのか

それではどちらがベストなのでしょうか。
衝撃の面でいうとフォアフットの方が少なくて、怪我もしにくいということです。

しかし、フォアフット着地をすることで普段酷使していないアキレス腱やふくらはぎに大きな負荷をかけることになります。

逆にこれで怪我をしないかというところが一番の懸念材料でもあります。

実際に僕もビムラムのファイブフィンガーズを使用してランニングをしますが、使い始めた時はふくらはぎとアキレス腱の痛みは尋常ではありませんでした。
それくらい大きな負荷がかかります。

何も意識せずに走るとかかと着地になりますが、かかと着地の場合はどこかに大きな負担がかかっているとは感じません。
これは日常生活においての筋肉の慣れでもあるんだなとも感じます。

僕の結論としては、フォアフット着地がベストとは一概に言えないということです。

やはり大きな違和感があるというのは事実です。

気になる方はビブラムのファイブフィンガーズを買って走るか、裸足で走ってみてください。
きっとアキレス腱とふくらはぎに大きなダメージを負うはずです。

大げさに言うと、フォアフット着地で細いアキレス腱やふくらはぎに負荷をかけるのか、かかと着地で太ももや膝に負担をかけるのかってところだと思います。
ちょうどよくしろよ!って思いますけどね。

走りたいように走る。
違和感が出たらすぐにやめる。
違う方法も試して見る。
違和感が出たらすぐにやめる。
これの繰り返しで、自分にとってベストな着地が見つかるのではないかと思います。

単純に、フォアフット着地が膝の負担が少ないのでベストだと思うのではなく、自分でやって確かめてみるというのが非常に大切だと思います。

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